トップダウンの分類

これまでトライしてきたことを整理すると、セットインスリーブを編む時のトップダウン編みは下図のように3つに分類できます。
Aは、肩をマジックキャストオンで作り目して編み始める方法です。「肩から編むトップダウン」とでも名付けましょう。特にデザイン制約がないのでオールマイティで、「パーツ編みしてとじはぎ」の日本の編み図や海外のパターンからデザインを読み取ってこの方法でトップダウンで編むことができます。編み始めに4本の糸(右前身頃、右後身頃、左前身頃、左後身頃)を使うところがちょっと面倒ですが、難しくはありません。
Bは、肩の付け根を作り目して編み始める方法です。「肩の付け根から編むトップダウン」とでも名付けましょう。肩の長さaを短くしないといけない点がデザイン制約です。このため、「パーツ編みしてとじはぎ」の編み図やパターンの袖ぐりを設計変更しないとトップダウンで編めません。ただし、袖なしだとこの制約はないので、例えばタンクトップなら編み図通りに編めます。編み始めには2本の糸(右身頃と左身頃)を使います。
Cは、後襟ぐりを作り目にして編み始めるもっとも一般的な方法です。「後襟ぐりから編むトップダウン」とでも名付けましょう。Bと同じで肩の長さaを長くできない点と、さらに後襟ぐりを下げられない点がデザイン制約です。後襟ぐりが下げられないと、袖なしでも「パーツ編みしてとじはぎ」の編み図やパターンとは一致した編み方ができません。

まとめると、セットインスリーブをトップダウンで編む場合、

編み図やパターンをその通りのデザインで編みたい場合は、Aの「肩から編むトップダウン」。
編み図やパターンを参考に自分なりにデザインして編みたい場合は、Bの「首の付け根から編むトップダウン」かCの「後襟ぐりから編むトップダウン」。
ということになります。
Aの「肩から編むトップダウン」を発見したことでトップダウン編みの世界が一気に拡大したということです。

なお、Cの「後襟ぐりから編むトップダウン」には利点 もあります。このブログでも紹介したことがありますが、襟ぐりの縁周りを本体と同時に編んでしまうことができるのです。編み終わった後で襟ぐりの目を拾って縁を編む手間が省けてとても便利です。

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