スパイラルプルオーバーNEJINEJI(その1)

ISSUUで見つけたデジタルマガジン「KNIT PURL」。この表紙を飾るスパイラルプルオーバーに挑戦します。雑誌の中にパターンが載っています。トップダウンで編む丸ヨークなので、英文パターンが読めれば、編むのはとても簡単です。しかし丸ヨークは、ゲージが似ていないとパターンは全く役に立ちません。しっかりと設計してあるため、サイズ合わせのためのパターン変更が難しいからです。特にこの場合、10目/10cmという太い毛糸で編んでいるので、そういう毛糸を探してこない限り、パターンは使えません。そこで今回も、パターンレスで自分のゲージで好きな寸法に編む方法を提案します。

スパイラル模様の編み方

まずは、スパイラル模様の編み方です。基本は3+3の6目ゴム編みです。下図のAのように、1周の目数を6の倍数にしておけば普通のゴム編みになります。ところが、1周の目数を6の倍数から1目増やしたり減らしたりしておいて、それを気にせずに輪編でゴム編み模様(3+3)を続けると、図BやCのように模様がずれて行って斜めのゴム編み模様になります。今回のスパイラル模様は、このBとCを繰り返したものです。特に丸ヨークの部分では、このBとCの境目で増し目します。その時に、目数を6の倍数+1目または-1目、になるようにするのです。

寸法

トップダウンで丸ヨークを編む時には、ヨークの形(膨らみ具合)が編みながらではよくわからないので、どの周でどれだけ増し目をするか、あらかじめ決めておきます。今回の場合は特に、スパイラル模様にするために、増し目周の目数をハッキリ決めておかなければなりません。
手持ちに太い毛糸がないので、細い糸で幼児用に編みます。寸法は、3〜4歳用として、下図のように決めました。スパイラル模様が向きを変える境目のア、イ、ウ、エが増し目周になります。

増し目周の設計

毛糸はユザワヤのミックスブークレ。ちょっとフワフワしたいい感じの糸ですが、去年の夏の余りもので、5玉(235m)しかありません。綿100%で、ゲージは5号針で、20目30段/10cmです。
このゲージを使って、各周の目数を決めておきます。スパイラル模様が交互になるよう、目数を6の倍数+1と-1を交互に配置します。

作り目:クビ周30cmなのでゲージからは60目ですが、スパイラル模様にするために60-1=59目にします。
オ:(35+9+9)×2=106cmなのでゲージからは212目となります。

ア、イ、ウ、エの4周で増し目をするので、均等に増やしていくとすると、1周当たりの増し目数は、(212-59)÷4=38.2 から、38目程度になります。各増し目周の目数を以下の様に決めていきます。

ア:59+38=97、97は6×16+1なので、これにします。つまり+38目。
イ:97+38=135、135は6×22+3なので、137=6×23-1 とします。つまり+40目。
ウ:137+38=175、175は6×29+1なので、これにします。つまり+38目。
エ:175+38=213、213は6×35+3なので、215=6×36-1とします。つまり+40目。
オ:増し目なしですが、スパイラル模様を続けていくので、下記のように目数の調整が必要です。
        オの袖部:片側18cmにつき、36目づつ。36目は、6の倍数なので36+1=37とします。
        オの胴部:袖の残りで215-37-37=141目ですが、141目=6×23+3なので、139=6×23+1
                          とします 。つまり-2目。
これら各増し目周での、具体的な増し目のやり方は、

ア:+38/59=1/1.55=2/3.1。なのでまずは3目に2目の増し目を繰り返す。
イ:+40/97=1/2.43=2/4.9。なのでまずは5目に2目の増し目を繰り返す。
ウ:+38/137=1/3.61=2/7.2。なのでまずは7目に2目の増し目を繰り返す。
エ:+40/175=1/4.38=2/8.8。なのでまずは9目に2目の増し目を繰り返す。

この繰り返しは例えば下図のように決めておきます。これを繰り返しておいて、最後の10目ぐらいを残し、それを編む時に数合わせをします。増し目は、Kfbでやります。
(参考)ここでちょっと、丸ヨークのふくらませ具合をチェックしておきます。下図を見てください。数値は、1/4周の目数です。赤字が「Spiral Pullover」で、これがほぼ均等に増し目しているので、黒字の今回の私のも均等にしました。一方、「LaceYokeTop」の時に見つけた増し目の原則に基づくと、図中の緑色のラインになります。この違いが、着た時にどの様に影響するのかはわかりません。

編み始め

作りたい寸法と、使いたい糸(のゲージ)が決まったら、ここまでの準備をしてから編み始めます。上の数字を、自分の寸法とゲージに置き換えて計算して下さい。私も、編み始めることにします。
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