考案!変則トップダウンで後ろ襟ぐりを下げる編み方

トップダウンでセットインスリーブを編む時には、後ろ身頃の襟口(後ろ襟ぐり)を作り目にして編み始めます。なのでこの後ろ襟ぐりは直線にしかなりません。少しえぐろうと思ってもできません。これがトップダウン編みの唯一の欠点と私は思っていましたが、先日ふとしたことから、この欠点をなくす編み方を思いつきました。

思いついたのはタンクトップをボトムアップで編んでいる最中でした。

①今ボトムアップでタンクトップを編んでいるが、やはりトップダウンの方が色々な面で編みやすので、次は同じものをトップダウンで編んで違いをはっきりさせよう。
②しかし、通常のトップダウンでは後ろ襟ぐりを下げられないので、今編んでいるボトムアップと全く逆の編み順にして、一番最初に編んだ肩線を最後にはぎ合わせることにしよう。つまり肩線を作り目にしてそこから編み始めればいいわけだ。
それなら、いきなり袖も編み始めればセットインスリーブだって編めるわけだ。つまりセットインスリーブでもトップダウンで後ろ襟ぐりを下げて編めるんだ。
 という順でした。

下の絵の、黒の線は通常のトップダウンでセットインスリーブを編んだ場合で、青の線は今回思いついた変則トップダウン編みです。赤の線は通常の編み方の作り目、黄色の線が今回思いついた変則時の作り目で、これは最後にはぎ合わせます。

変則トップダウンは、下図のように編んでいきます。これとこの対称なものとの2パネルを1本の輪針に編んでいきます。そして後ろ襟ぐりの下げが終わったところで後身頃をつなげます。プルオーバーであれば前身頃も前襟ぐりが中央に来たところでつなぎます。その後、輪で編んでいきます。
上の絵を実際に編んでみました。作り目は中央で折ってはぎ合わせます。写真は試し編みなので指でかける作り目にしましたが、これでははぎにくいので実際にやる時には暫定作り目にします。
作り目の中央(袖の上端)から折ってみました。実際には、作り目をはげば肩線になります。定規はまくれを押さえるために置いたものです。
本当にうまく編めるか、次の機会にこの変則トップダウン編みで何か編んでみます。
コメント: 4
  • #4

    篠原 (土曜日, 14 5月 2016 20:51)

    とうごうさん
    自分の経験から、編み図を読んで自分で編めるようになったところで、さらなる展開ができずに挫折する人が多いのでは、と思いこのブログを立ち上げました。なのでハードルが下がったと言っていただけるのが、一番嬉しい褒め言葉です。ありがとうございます。

  • #3

    とうごう (土曜日, 14 5月 2016 17:13)

    本日毛糸だまを読みまして、仰天しました……。

    つくづく私は間が悪い。

    このブログは大変参考になり、衣服を編むというハードルを、ぐっと下げてくれました。
    自分で作りたいものを試行錯誤できる楽しみと知恵を授けていただきました。
    感謝しています。
    妄言にお付きあい頂き、ありがとうございました。

  • #2

    篠原 (金曜日, 13 5月 2016 10:05)

    とうごうさん
    襟ぐりをラップ&ターンでというアイデアありがとうございます。
    考えたことありませんでした。
    ラップ&ターンで作るショートロウ(短い段)の使い方は、出来上がりがイメージできないところがあってちょっと苦手です。
    だもんで、襟ぐりに使えそうな気もするし、ダメそうな気もするし。
    そのうち挑戦してみます

  • #1

    とうごう (金曜日, 13 5月 2016 08:19)

    いつも分かりやすい&興味深い記事をありがとうございます。

    いつか、篠原様のおかげでカーディガンを編めました!
    と、ご報告できたら良いと夢見ています。
    (当方で勝手に編物師匠と、心の支えにさせて頂いてます)

    篠原様の記事を読みながら、試行錯誤していくのがとても楽しいのは身をもって実感しているので、水を差すつもりはないのですが。

    今回の記事を読んでいて、えりぐり作りにラップ&ターンは敢えて避けてらっしゃるのかしらん、と思いましたので、もしご検討でなかったら使える情報なのではないかと思い、コメントしております。

    http://www.knitty.com/ISSUEwinter08/PATTfishy.php

    上記リンクはRavelryで公開されているフリーパターンのFish Hat (Dead or Arive) の編み方ページです。

    口の部分から編み出すのですが、90目作り目を輪にして編み始めることで外周を作り、ラップ&ターンの往復編みで片方の山をつくって反対側に編み進めて移動して、そこで同様に往復編みで山をつくり、つくり終えたらまた輪編み開始、という手順です。

    さしでがましいことをしているのかもしれないのですが、小さなこどもが、初めてみる物事に触れて、大好きな先生に「先生あのね!」と報告しに来たんだとご容赦頂けると幸いです。