トップダウン編みは立体編みです。なので、編みながら形が見えてきてとても楽しく編めます。しかも、実寸を測りながら編んでいくのでゲージの誤差が気になりません。
トップダウン編みは編み図で表わそうとするとわかりにくいので、これまで編み図なしで説明してきました。でもこれからは、「編み図を見てトップダウンで編む方法」も説明することにします。編み図にはデザインと編み方が書かれているので、デザインだけをいただこうということです。
なぜそう思ったかというと、トップダウン編みでも首からではなく肩から編み始めることで後ろ襟ぐりを下げることができるし、また袖の編み始めを工夫することでセットインスリーブの肩の部分を長くすることもできると最近わかり、トップダウン編みにデザイン制限がないことに気がついたからです。
早速挑戦してみましょう。
まず編みたい作品の編み図は
編み物雑誌やネット上で有料なものはこのブログに載せられないので、Ravelryの中からタダで入手できる日本の編み図を選びました。ピエロさんのもので、ベーシックコットンカーディガンという名前のものです。
糸は
ゲージは、模様編みで21目26段/10cmと書いてあります。Ravelryのページから糸の詳細を見ると、標準ゲージは19目26段/10cmと書いてありましたので、これに似たゲージの糸を探しました。ユザワヤワールドフェスタコットンテンセルで綿50%テンセル50%、5〜7号針で20目25段/10cm、1玉30gで57mです。この糸ならゲージが合っているので、寸法を気にせずに編み図の目数で編むことにします。トップダウンで編む手順は
下図に示すように、肩を作り目して、輪針で前後身頃側を襟ぐりや袖ぐりを形作りながら編み、後ろ襟ぐりをつなぎ、さらに前後袖ぐりを拾って袖も編み始めます。図中の小さい黒点が増し目の位置です。青い線が編んでいる途中の状態です。
まず作り目は
肩の19目(下図青線)をジュディのマジックキャストオンで糸を2玉使って2セット作り、次の段からさらに糸を2玉加えて、4玉4パネル(前後左右身頃)で編み始めます。
後ろ襟ぐりは
1段:増し目なし
2〜5段:1/1(各段1目増し目)
6段:34目の作り目を入れて左右後ろ身頃をつなぐ
とします。
前襟ぐりは
1〜14段:増し目なし
15〜22段:1/4(4段毎1目増し目)
23〜30段:1/2(2段毎1目増し目)
31〜36段:1/1(各段1目増し目)
37段:8目作り目
とします。編み図の2-3-1は2-2-1としました。2段で3目増やすのがめんどうだからです。
前後身頃の袖の襟ぐりは
1-44段:増し目なし
45〜48段:1/4
49,50段:1/2
51,52段:1/1
53段:4目作り目
とします。
袖の拾い目は
袖の上端は18目水平(下図黄線)なので、18目=8.6cm=22段。よって前後身頃の袖ぐりは
11段:袖の目を18目拾って前後身頃をつなぐ
とします。
袖の増し目は
①2段平②2-3-1③2-2-3④2-1-7⑤2-2-2⑥2-3-1となっています。②③は肩部のふくらみをつけるため、⑤⑥は袖周の目数調整と解釈して、肩部のふくらみだけ採用します。
よって
12段:増し目なし
13〜21段:1/1(各段片側1目増し目)
22〜48段:1/2(2段毎片側1目増し目)
49〜52段:増し目なし
とします。これによる目数の増加は、23目です。肩先の水平部と脇の下の作り目を足すと、袖周は脇の下で、18+23×2+4×2=72目になります。編み図と合います。
模様編みは
左肩の作り目が下図の青線、右肩が黄線になります。緑の線が袖の拾い目です。全て図中の14段目から下に向かって編むことになります。
ここまでが事前準備です。
イベントとパネル数は以下のようになります。
作り目:肩線を2セット(2玉)
編み始め:左前身頃、左後ろ身頃、右前身頃、右後ろ身頃(4玉4パネル)
イベント1:6段目で左右の後ろ身頃をつなぐ(3玉3パネル)
イベント2:11段目で肩から袖の目を拾い袖を編み始める(1玉1パネル)
イベント3:15段目で前襟ぐりの増し目に入る
イベント4:37段目で前襟ぐり終了
イベント5:45段目で前後袖ぐりの増し目に入る
イベント6:53段目で前後袖ぐり終了、袖の目を休めて、脇の下をつなぐ
次回から実際に編んでみます。上の記載どおりに編んで行って不都合が出たら訂正することにします。
加藤 恵子 (金曜日, 30 9月 2016 19:06)
お返事ありがとうございます。ちょっと気が楽になりました。
またせっせと編もうと思います。
篠原 (金曜日, 30 9月 2016 10:11)
加藤さん
コメントありがとうございます
特に失礼なコメントではないですよ
私は著作権のことはよく知りませんので、常識で判断しています。
Ravelry でフリーダウンロード出来るということは、作者の方が作品を広めたいと思っていると解釈し、転載も可能だと思っています。しかし、文化や考え方で常識が違って、あるいは転載の仕方によって、作者の方に不快な思いをさせてしまうかもしれないとも思います。それを防ぐ意味で、原典に敬意を表するために出典をはっきりさせて原典にアクセスできるように記載しています。
加藤さんのお悩みの回答にはなっていませんね。
加藤恵子 (金曜日, 30 9月 2016 07:36)
おはようございます。息子にこんな失礼なコメントをしてと怒られてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。もしコメント削除出来るようでしたらそうしてください。
加藤恵子 (木曜日, 29 9月 2016 13:02)
度々コメントをしてすみません。あの編み方は勝手に肩の部分をアレンジしたので失敗してしまいました。毛糸の選び方とも合っていませんでした。
今日は変な質問をさせていただきます。実はブログでRavelryのフリーパターンの編み図(文章の物)を日本語にして解説しました。これは著作権に反する、違法だというコメントが来てしまいました。篠原さんは日本の方なので、事前に許可を得ましたが、海外のは許可を取っていませんでした。私もこの・・・・・「編み物雑誌やネット上で有料なものはこのブログに載せられないので、Ravelryの中からタダで入手できる日本の編み図を選びました。」・・・と全く同じに考えていたので、今戸惑っています。知人は編み図自体は著作権はないので、記事は削除する必要はないと言うのですが。篠原さんならお詳しいかもと思いお聞きしました。お教えくださると有り難いです。お気を悪くされたらごめんなさい。
篠原 (木曜日, 25 8月 2016 19:02)
加藤さん
ブログや毛糸だま見ていただいてありがとうございます
加藤さんのブログで紹介していただけたら嬉しいです
加藤恵子 (木曜日, 25 8月 2016 09:17)
こんにちは。ブログを始められた頃に1度コメントさせていただきました。時々拝見させていただいています。けいとだま見ました。やっぱり勉強された方は違いますね。私も肩から編めないかと挑戦したことがあります。30年くらい前のことで、マジックキャストオンの方法も知らずに鎖目から始めて、袖は後から拾ったので、普通に下から編んだ方が早いと思い諦めました。今回ちょっと初めの部分を変えてセーターを編み始めました。仕上がったら、自分のブログで紹介させていただいてよろしいでしょうか?(ブログのことも含めて。)