クルーネックのセーター(その1)

Ravelryに載っている Rowanの「Textured Pullover Options」 (by Amy Herzog)です。かたちは普通のセーターですが模様編みが素敵です。Ravelryに登録すれば、パターンをフリーダウンロードできます。
パターンは英語ですが、そこから必要な部分だけデザインを読み込んで、トップダウンで編んでみます。ネット上でフリーの日本の編み図を見つけるのは難しいですが、英語のパターンならいくらでもあります。パターン通りに編むとなると英語を全部読まないといけないのですが、トップダウンで編むなら、出来上がり寸法と模様編みパターンと襟ぐり・袖ぐり・袖のカーブ、さえわかれば編めてしまいます。ぜひこの方法で、世界中のデザインから選んで下さい。編み物の世界が一気に広がります。
ではどのように情報を得るのか、順を追って説明します。
まず大事なのがゲージです。ここではテンションと書いてあります。Stockinette stitch とはメリヤス編み、sts(stetchies)が目数、rows が段数です。メリヤス編みで、23目32段/10cmという意味です。
針は4mm、日本では6号針です。6号針で23目32段/10cmのゲージになる毛糸を探します。
出来上がり寸法です。バストサイズで5cm緩めに着てもらうつもりでデザインしていると書いてあるので、バスト83〜86だとしたら90cmを選びます。
バスト90だと、毛糸の量は、500g。30g玉だと17玉必要です。
模様編みのパターンです。これを日本式の編み図にすると、下図のように2目8段で1組の模様です。k(knit):表編み、p(purl):裏編み、RS(RightSide):おもて面、WS(WrongSide):うら面です。k1は表編み1目という意味です。英語のパターンを編み図に書き直すときの注意点は、例えば2段目はうら面なので、うら面で裏編するとおもて面から見たら表編みになる、というところです。
ここまで情報を得たら、外形寸法図を見ます。バッチリ出ています。
あと欲しいのは、襟ぐり、袖ぐりのカーブです。項目のBACK (後ろ身頃)の中の Shape armholes (袖ぐり)を読んでみます。
BO(bind off)は伏せ目、CO(cast on)は作り目です。
ここに書いてあるのは

1. 1段目は6目の伏せ目、3段目は2目の伏せ目、 4段目以降で2段毎に1目減らし目を5回、これで76目になる。
2. 脇の下から16.5cmになるまで編む。作り目からは56.5cm。
3. 次の段で23目編んだら30目伏せ止めし、さらに最後まで編む。
4. 次の段から2段毎に1目減らし目を2回、さらに脇の下から19cmになるまで編む。作り目からは59cm。

これから、肩は21目で、後ろ襟ぐりは59-56.5=2.5cm下げる(図には描いてい)ということと、トップダウンで編む場合、後ろ襟ぐりのカーブは2段毎に1目増やしを2回やって30目作り目、また袖ぐりのカーブは、しばらく増し目なしに編んで行って脇の下まであと12段というところで、2段毎に1目増やしを5回、各段1目増やしを2回やって、袖の目を休めて作り目を12目して前後身頃をつなぐ、ということになります。
次に、前襟ぐりのカーブを知るために、項目のPULLOVER FRONT (プルオーバーの前身頃)の 中のShape armholes を読んでみます。
ここに書いてあるのは

1. 中央の18目の両側にマーカーを入れる。
2. 袖ぐりと襟ぐりの減らし目は同時になる。
3. 袖ぐりのカーブの減らし目は後ろ身頃と同じだが、作り目から51.5cmに達したら、襟ぐりを始める。
4. マーカーまで編んだら、次のマーカーまでの18目を伏せ止めし、更に端まで編む。前襟ぐりのカーブは、各段1目減らしを4回、2段毎に1目減らしを4回。
5. 袖ぐりも襟ぐりも終わった段階で片肩は21目に成っている。更に脇の下から19cmになるまで編む。この時作り目からは59cm。

これから、前襟ぐりは、59-51.5=7.5cm下げるということがわかります。図と合っています。トップダウンで編む場合、前襟ぐりのカーブは、2段毎に1目増やしを4回、各段1目増やしを4回、そのあと作り目を18目となります。

最後に袖の作り方を見てみましょう。項目のLong Sleeves(長袖)を読んでみます。
m1R、m1Lはどちらも1目の増し目です。
ここに書いてあるのは

1. 54目の作り目をする。
2. 2目ゴム編みで、7.5cm編んだら、模様編みを最低2段編む。
3. おもて面を増し目段とする。両端から1目内側に増し目を入れる。 増し目段は12段毎に9回入れ、72目になる。作り目から47cmになるまで編む。

図ではゴム編みが14cmでそこから更に47cm編むように描いてありますが、文章の方を採用します。

次に、袖の肩の付け根のカーブを見てみましょう。項目のAll Sleeves (袖共通)の中のShape sleeve cap(袖の肩の付け根のかたち)を読んでみます。
ここに書いてあるのは、片側についてだけだと

1段目は6目伏せ止めして、3段目は2目伏せ止めにし、4段目以降は、6段毎に1目減らしを1回、2段毎に1目減らしを15回、次は2目伏せ止め、その次は減らさず編んで、次にまた2目伏せ止め、そして次の段で16目(体中心からは8目)伏せ止めで終了。

トップダウンで編む場合には、最初の肩先の部分は下図のようにします。最初の16目は拾い目し、次の2段に2目増し目2回は、青線のように各段に1目の増し目(1/1)4回に変えます。
この作品はウェストシェイプしているので、最後に絞り方を見てみましょう。下から編んでいるので身頃の編み方の最初のゴム編みの次に記載があります。まず項目のPULLOVER FRONT(前身頃)を読んでみます。
ssk(slip slip knit)は右上2目一度、k2tog( knit two together)は左上2目一度です。m1R、m1Lはねじり増し目のことです。
ここに書いてあるのは

1. 両端から26目のところにマーカーを入れる。マーカー間は50目。
2. 減らし目は各マーカーの外側(端側)に入れるので、減らし目段は2目減る。減らし目段は10段毎に5回入れる。これで92目になる。そのまま作り目から21.5cmになるまで編み進む。
3. 増し目も各マーカーの外側(端側)に入れる。102目まで増えたらマーカーを外す。そのまま作り目から40cmになるまで編み進む。

BACK(後ろ身頃)にも同じことが書いてありますが、マーカーを入れる位置が違っています。両端から34目のところにまでを入れる。マーカー間は34目。

ウェストシェイプは、端から26目(前身頃)34目(後ろ身頃)の位置で、増し目や減らし目を10段毎に5回入れるということです。また最も減らす位置は、脇の下から(40-21.5=)18.5cmの位置になります。
これまでのことを整理すると、下図のようになります。バスト90ぐらいなら寸法が小さいので、ウェストシェイプを省いてもいいかもしれません。また入れるにしても、減し目や増し目を入れる位置は、脇の下のライン上でもかまわないと思います。
毛糸

ユザワヤワールドフェスタのデイリーウールにします。30g105m、4-5号針で23目32段/10cm。薄い色が10玉しか無かったので濃い色を8玉加えました。下1/3を濃い色でバイカラーにします。トップダウン編みだと簡単にできます。
これで準備が整いました。
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