トップダウンで編み図なし

編み図なしとは


編み物の設計図は、欧米では編み図ではなく1段ごとの編み方を文章で書く方式(パターン)です。これだと、輪針を使ったトップダウン編みなど、立体的な編み方がうまく表現されているので、パターンに書かれたとおりに編んでいけば、立体的にセーターが編み上がっていきます。
       
また、トップダウン編みの基本が判ると、パターンなしでも編めるようになります。襟から始めて下向きに立体的に編んでいくので、途中で体に合わせながら編み進められるからです。多くの手編みファンは、自分はもちろん、家族や友人など、作品を着せたい人がそばに居るので、これができます。
 
編み図なしで立体的に編めるようになるには、まず英語で書かれた欧米のパターンを読んで、トップダウン編みを覚えないといけないのですが、パターンを読まなくてもトップダウン編みを覚えてもらおうと、ブログを立上げました。
 
編み物が上手かどうかではなく、立体的に編む手順を知っているかどうかなので、皆さん挑戦して下さい。ただし、「ダメならほどいて編み直す」のをいとわないのがコツです。
 
手編みのセーターの出来不出来を決めるのは、細かな部分の見栄えではなく、希望どおりのフィット感に出来上がったかどうかです。トップダウン編みは、体に当てながら編んでいけるので、うまくいきます。
 
ネット上には、たくさんのデザインがアップされています。それを参考に、あなたの好きなデザインを、好きなフィット感で作るという、自由で楽しい編み物の世界へステップアップしてください。ちょっとマンネリになりそうだった編み物が、前より大好きになること請け合います。
 

トップダウン編みとは


立体的な編み方の代表は、ヨーク編みです。襟ぐりから、増し目をしながら輪編みで下向きに編んでいくと、スカート状に編み上がっていきます。脇の下まで達したら袖の分の目を休めて、引き続き胴体部分を輪編みし、希望の丈で編み終わります。次に、休めていた袖を輪編みで、好きな袖丈まで編んだら完成です。


文章で説明すると簡単ですが、ヨーク部で増し目段をどの程度の頻度で入れていくか、によって肩の部分の膨らみが変わってくるので、難しい面があります。また増し目の位置が連なると、すじ模様が出るので、増し目を綺麗に分散しないといけません。


この増し目を、肩の部分に一直線に配置するとラグラン袖になります。こちらの方がヨーク編みよりも考えることが少なく、トップダウン編みの中ではではビギナー向けです。


ラグラン線の両サイド、身頃側と袖側、で増し目をして、ラグラン線が脇の下に向かっていくように編み進めます。ラグラン線の行先が狙う脇の下の位置は、胴周りと袖周りが希望の寸法になる位置です。そこから先は胴と袖を編み別けます。

 

ラグラン線の襟側に肩剥ぎ線を加えると、いわゆる普通の袖(セットインスリーブ)になります。肩剥ぎ線の両サイド、つまり前身頃と後身頃、で増し目をします。この時各段毎に増し目をすることで、やや下向きの肩剥ぎ線が出来上がります。編み進んだら、この線を二股に分けて2本の袖線にします。この袖線はラグラン線よりも角度が立たないといけないので、身頃側はラグラン線の時よりも増し目段の頻度を落とします。

 

次に襟の形です。丸首プルオーバーなら、襟ぐりから輪状に編み始めます。丸首カーディガンなら、それを輪状にしないで折返し編みにします。Vネックカーディガンなら、折返しの編端も増し目して、襟ぐりの前身頃側を伸ばしていきます。編端の増し目をする段の頻度が高いと浅いV、頻度が低いと深いVネックになります。極端に言うと、各段毎に増し目をするとほぼ真横に延び、5段毎ぐらいだとV字になります。V字状に下がった編端が左右合わさったところで繋いで、それ以降を輪編みにすれば、Vネックプルオーバーになります。

セットインスリーブの2本の袖線の内側(袖本体)を編まなければ、ノースリーブになります。この場合は、肩の剥ぎ線が終わったところで、糸を加えて前身頃と後身頃の2枚にし、一本の輪針で別々に編んで行きます。


また襟ぐりの作り目から最初の何段かを、増し目せずに円筒状に編めば、タートルネックやハイネックになります。


カーディガンの場合は、前たてを前身頃と同時に編むことも出来ます。後でとじ付けなくていいので楽です。


これから順次、実例でトップダウン編みを紹介していきます


コメント: 9
  • #9

    篠原 (土曜日, 03 3月 2018 21:08)

    かすみさん
    コメントありがとうございます
    最近ちょっと忙しいのと、ネタ切れになって来たのとで、ブログが進みませんが、まだまだ挑戦していきたいと思っています
    これからも読んで下さい

  • #8

    かすみ (土曜日, 03 3月 2018 15:24)

    姉と母の遺品の毛糸が山程あり、どうしたものかと考えておりました所、こちらのサイトに辿り着きました。

    なんとかタートルネックセーター完成しました。身体にあてながらの制作なので良いサイズ感。

    感謝です。
    まだまだ沢山毛糸があります。
    今後もご教授くださいますよう。

  • #7

    篠原 (金曜日, 31 3月 2017 11:40)

    ペロのママさん
    完成おめでとうございます!
    何度も編み直し・・・私もよくやってます
    次も途中であきらめずに頑張って下さい

  • #6

    ペロのママ (金曜日, 31 3月 2017 10:24)

    やっと出来ました!丸首プルオーバー...何度もといて編み直しを繰り返し、途中で投げた時もあったけど...やっと完成です!少し感動してます、また一着今度はVネックに挑戦してみます。ありがとうございます♪

  • #5

    篠原 (金曜日, 10 2月 2017 14:52)

    ペロのママさん
    キッズカーディガンBLOCKをサイズを変えてお試し下さい

  • #4

    ペロのママ (金曜日, 10 2月 2017 11:59)

    トップダウンでラングラン袖のセーターを編んでみたいです!が大丈夫でしょか?作り目から全然分からないけど…

  • #3

    Mutsuko Kuniyoshi (水曜日, 08 4月 2015 06:27)

    Hi, I just came across your site when I had been looking to see if I could learn something about top-down knitting method in Japanese. I love your site and find it very informative. I have been collecting Japanese knitting patterns for a while but have not seen any with using circular needles. How popular is it (knitting with circular needles)? I am looking forward to hearing from you. My email address is kunikline@msn.com. Arigatoooo....

  • #2

    篠原 (月曜日, 11 8月 2014 08:40)

    ちぃさん
    私のブログに初コメント、ありがとうございます。

    編み方を説明するのに、どの程度の詳しさがいいのか悩みながら書いています。
    解りにくかったらコメントやメールで質問して下さい。

  • #1

    ちぃ (日曜日, 10 8月 2014 19:17)

    篠原さん
    はじめまして。ちぃと申します。
    トップダウン編みについて検索していて篠原さんのブログに出会いました。

    トップダウン編みに挑戦してみたいのですが
    これまでは編み図&とじはぎ式の編み方でしか編んだことがなく
    おまけにRavelryの英語のパターンではチンプンカンプンで・・・

    まだ編む作品は決めていませんが、参考にさせていただきますので
    どうぞよろしくお願いします。