裏で編むプルオーバー(その1)

模様

寒くなると上着やコートを着るので、あまり凝ったりしないシンプルなセーターを編みたいと思っているのですが、さりとてメリヤス編みでは寂しいと、簡単な模様編みを探していたら ウェブ上のデジタルマガジン に下の写真のようなすべり目を使った作品が載っていました。
ベースは裏編みですべり目で筋を入れて前立てはガーター編みというシンプルなものです。裾や袖口は、針を細くしてゴム編みのようです。この模様でボートネックのセーターを編みたいと思います。
この模様、トップダウンで輪で編むとなると、問題は、圧倒的に裏編みになるということで、私の場合はスピードが落ちてしまいます。なぜなら私は、表編みはフランス(コンチネンタル)式で早いのですが、裏編みはイギリス(アメリカ)式なんで遅いのです。そこで全部裏で編んで最後にひっくり返すというやり方にしたいと思います。

襟ぐり

襟ぐりは横に大きく開けたいので、トップダウンだと下図のように2つの方法があります。Aは、輪に作り目を作って最初から輪で編んでいく方法。Bは、前身頃の襟ぐりの部分を伸ばしていってつないでから輪で編んでいく方法。Aは首がきつくなるので、やや面倒ですがBで編むことにします。

寸法

寸法は下図のように決めました。まずは脇の下の位置を決めただけですが、これだけで編み始めることができます。丈や袖の長さは編みながら決めます。

毛糸

毛糸は、ユザワヤのワールドフェスタ(ピュアウールソフト)です。ウール100%、30gで75m、ゲージは4-5号針で、22目32段/10cm。5号針で編むことにします。

作り目

ラグラン線を2目、前身頃のスタートを2目と決めて、下図のように配置します。計算からは後ろ身頃は58目となりますが、模様編みが5目で1組なので、5で割ると3余ります。4余るようにすると、ちょうど模様が左右対象に収まるので、後ろ身頃の目数は59目にします。そうすると作り目は73目になります。作り目の数を間違えないようにするため、この絵は必ず描くようにしてください。なお図中の赤い線はマーカーを入れる位置です。ラグラン線の前後に入れます。ただし作り目の時ではなく、最初の段を編むときに入れます。

編み始め

下図のように、前後身頃、袖、前襟ぐり、に増し目を入れながら編んでいきます。前後身頃の増し目の頻度は、とりあえず6段に1度で始めますが、脇の下の位置を目指して途中で変えていきます。
模様編みがないならこれで編み始めますが、模様編みがあるとその最初の配置を決めておく必要があります。最初の数段だけ下図のような編み図を書いておくと間違えずに編めます。ある程度編むと前の段が見やすくなるので編み図がなくても間違えないようになります。下図で1段目は作り目です。丸は増し目です。増し目は、お好きなやり方でやってください。私はいつもの通りKFB(PFB)でやります。目と目の間の糸をひろいあげる増し目だと編み始めの頃がきつくなって嫌だからです。

輪につなぎ

下の写真は、12段編んだところです。前身頃の襟ぐりは、この辺りで水平につなぐことにします。

裏面編みが終わったところ(裏面で輪編みするためにこれが大切)で、左右の身頃をつなぐために、針に作り目をします。目数は、後身頃と前身頃が同じ数になるように決めます。後ろ身頃が61目で、前身頃の片側が14目だったので、作り目は、61-14-14=33目になります。

作り目をしたらそのまま右前身頃をつないで輪に編んでいきます。作り目をしたつなぎの部分の真ん中2模様分9目は、ガーター編みにします。
編んでいるときに見えている面は下の写真です。最終的には裏になる面です。ほとんどが表編みなので早く編めます。
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