編み図なしでの編み方を考える(SpringLACE)

まだSimpleDROPの片袖を編み終わっていないのですが、次の作品を考えているところです。今回は、この考えているところから書き始めます。まずは気に入ったデザインを探し、それをどうやってトップダウンで編むかを考えます。トップダウンにこだわるのは、編み図なしで自分の好きなサイズに編めるからです。

ネット上にはいくらでも編み物の作品が載っています。Ravelryような投稿サイトからでもいいし、またissuuという雑誌サイトの世界の編み物雑誌からでもいいです。ともかく日本の編み図や欧米のパターンなんて必要ないのですから、気に入ったデザインの編み物を探せばいいのです。
下の写真は、Kim Hargreaves という人のデザインです。ホームページに素敵な作品をたくさん出していて、その作品の載っているデジタルマガジンを買えば、オンラインでパターンが手に入ります。しかし、写真をこのようにダウンロードするのにお金は要りません。

さてこの作品、「軽くて可愛いレースのボタンスルーセーター」という名前が付いています。春先にぴったりです。 体にフィットさせて、袖と丈を長めにするのが特徴です。ただし、ウェストはモデルの後ろでしばってフィットさせているのかも。


肩剥ぎのラインが見えませんが、後ろに隠れてるのでしょう。袖は袖ぐりから拾っているようなので、トップダウンで編んでいるのではないようです。トップダウンで編むときの問題は、セットインスリーブと襟口の組み合わせです。セットインスリーブでこのように襟ぐりを下げていくには、前身頃を増し目をしながら延ばしていかないといけないので、ゴム編みの襟口は後で拾い目をして付けることになります。襟口を後で編みつけると、最後の伏せ目に伸縮性がないために、襟がきつくなるのが欠点ですが、これは襟が開くデザインなので問題ないでしょう。


ラグラン袖にすると、襟口のゴム編みと前立てのガーター編みの一部を、先に全部編んでしまっても襟ぐりは下がります。ただ、この場合、ゴム編みに伸縮性があるため、ラグラン線のところで曲がって角ばった襟口になってしまう可能性がありますが、体にフィットさせるデザインならこの角ばりもめだたなくなるとは思います。要するに、ラグラン袖にすることで先に襟口が編めるという代案があるということです。この方がかなり簡単です。どちらにせよ、前立てのガーター編みは前身頃と一緒に編みこんでいきます。
さて、レース模様ですが、ネットで下の写真のような編み込み模様を見つけました。似ていますが、ちょっと単純すぎるようです。

      モデルの拡大写真


上の写真の編み図は下図の①です。②、③、④、⑤と複雑にしてみました。試し編みしたのが、下の写真です。⑤でやっとモデルの写真に近づきました。まだちょっと違うようですが、完璧に一致する必要もないので、これにします。
さて、レース模様の編み方がわかりましたが、肩線と前身頃を増し目で延ばしながら編み進むトップダウンのセットインスリーブでは、このように4目2段のパッケージになっている編み模様だと、特に前身頃への模様の入れ込みが難しくなります。ある程度の段まで、模様の折り込み図を書かないと間違ってしまいます。しかし、編み図を書きたくないから、トップダウンでやろうとしているので、本末転倒です。そこで今回は、ラグラン袖で編むことにします。これならちょっと気を配るだけで編み込み模様を間違えないでやれると思われます。

そこで、どこに気を付けないといけないか、考えてみました。下の図をご覧下さい。襟口のゴム編みが終わったところから描きました。ラグラン袖は、ラグラン線の両側に表側段(奇数段)で増し目(丸に十字)を入れていきます。図を見ると、このラグラン線の両側の「増区域」にどんな模様編みを入れるかだけが問題だってことがわかります。表側(奇数段)だけ説明すると、Aは順番から言うと◯なんですが、1目しかないので、| ですね。Bは順番からしても | です。CDは2目あるのでCは◯、Dは\。EFは順番からどちらも | 。図に描かなくても、実際には、「増区域」がわかるようにマーカーを入れておいて、そこに来たらよく考えればいいわけです。

ここまで考えて、なんとか出来そうだという目処が立ちました。あとは毛糸を探すことと、寸法を決めるだけです。
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