ゴム編み止め

トップダウンで編むと、最後に裾や袖口を伏せ止めすることになります。特にゴム編みでは、伸縮性を保つために、とじ針を使った、いわゆるゴム編み止めをすることになりますが、これが覚えにくい上に糸が長いので厄介です。


海外ではどうしているのでしょう。私の見る限り、重宝されているのは、「エリザベスチンマーマンの縫う編み止め」Elizabeth Zimmerman's sewn bind off です。簡単な割に、伸縮性がでます。指でつくる作り目程度の伸縮性は出るのでトップダウン編みとしては実用的です。見た目は作り目よりやや悪いです。

下の写真で、赤が指でつくる作り目、青がエリザベスの止め、黄色がとじ針を使わないゴム編み止めです。とじ針を使わないゴム編み止めとは、表目は表編みして、裏目は裏編みをして、右の目をかぶせる、通常の伏せ目です。見た目は、赤>青>黄、伸縮性は、赤=青>黄 です。

簡単とはいえ、エリザベスでは、3倍の長さの糸を扱うので、裾まわりなど長いところでは糸が絡んで、結構やりにくいです。結局採用するのは、袖口ぐらいですね。
2016/2月   新しいゴム編み止めを見つけました。動画写真があります。どちらも同じやり方です。2目1度を使います。これが一番伸びるのかもしれません。動画では、普通の伏せ目の1.5倍伸びると言ってます。
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暫定作り目(provisional cast on)


作り目から始めて編み終わった後で、今度は作り目から反対側に編んだり、剥いだりする場合には、暫定作り目、provisional cast on(プロビジョナルキャストオン)という作り目をします。トップダウン編みで襟の縁から前立てまで、身頃と一緒に編んで行く場合の最初の作り目で使います。いろいろなやり方があるようですが、余り糸を使うこの動画がわかりやすいです。最後に、拾った目は捻れてるので、捩れを直しながら編み始めろと言っています。

写真で説明しているのはこのサイトの Open,a.k.a. provisional, cast onという項目です。
写真を一枚だけ取り上げますがこれを繰り返せば出来上がりです。 赤が余り糸です。
このような場合には日本では、別鎖からの作り目をして編み始め、後で別鎖を解きながら反対側に編み進む目を拾う、というやり方が一般的ですが、このやり方の方が簡単に思えます。
2015/9/4
わかりやすい動画を見つけたので追加します。この動画では、反対方向に編み進む時に、別糸の目が1目飛びにねじれているのでそれを直すために、ねじれた目はバックループで編んでいます。そうしなくても、別糸を外す前に、ねじれを直しながら針を通すやり方でもいいです。
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増し目(increase)


ネット上には海外の編み方の説明がいくらでも載っています。編み方ですから、動画なら言葉がわからなくても理解できますし、動画じゃなくても絵や写真があればなんとかなります。そんな中から基本的な編み方の理解に役に立つ動画やサイトを紹介します。

トップダウン編みでよく使うのは増し目、increase(インクリース)です。下の図はトップダウンでラグラン袖を編む時の、増し目の位置を番号で表しています。通常、2から9は2段毎に、1と10は、V型の襟ぐりにするなら4段毎に、増し目を入れます。カーディガンでは表段と裏段を交互に編むことになりますが、偶数の段毎の増し目であれば、裏段では増し目をする必要がありません。プルオーバーだと輪編みとなり、全部表段なので裏段がなく、どうやったって裏段の増し目はありません。

そして、図中、奇数番号の増し目は、目が左に傾いた形の増し目、M1L=make one left(メイクワンレフト)にします。偶数番号の増し目は、目が右に傾いた増し目、M1R=make one right(メイクワンライト)にします。
表段毎に増し目をしたカーディガンのラグラン線の付近の目は下図のようになっています。
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